島根半島随一の巨大海食洞が
口を開けている加賀湾
ラフカディオ・ハーンも訪れた名勝 潜戸

加賀の潜戸(くけど)

加賀の潜戸は、大きなスケールを持った二つの洞窟のことで名勝天然記念物となっています。一つは大人の膝の高さぐらいに積み上げられた小石の山が、賽(さい)の河原を彷彿とさせるごとくに数え切れないほど立ち並ぶ薄暗い窟です。ここは仏の潜戸と呼ばれ悲しい言い伝えがあります。もう一つの窟は、三方向に大きな穴が開いていて、西の入り口には木の鳥居が立っています。外の明るい光が海にも反射して洞窟内を照らし出し、灰色の地層がくっきり浮かび上がっています。こちらは神の潜戸と呼ばれ神様誕生の神話伝承があります。

  • 亡くなった子どもが石を積むといわれる亡くなった子どもが石を積むといわれる
  • 神潜戸今は鳥居だけの潜戸大明神

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の描いた潜戸

ハーンの描いた潜戸は彼の著書「日本の面影」にあります。その短編は「子供たちの死霊の岩屋で」といういささか怖い題名となっています。『舟の下を見ると、ガラス窓を通して見るかのように、底深くに横たわる岩礁が、むき出しのまま見える。もしこの洞窟内を泳ぎ、その涼しい岩陰の中で海流に身を任せられたら、これほど気持ちが良いことはないのではないか。そんな思いが頭をよぎり、私がまさに海に飛び込もうとした瞬間、他の者たちがけたたましい叫び声で、私を制した。「死んでしまうぞ!」「六ヶ月前にここで飛び込んだ連中は、今だにひとりも上がってこない!」「ここは、聖なる海、神様の海だ!」』(新編「日本の面影」池田雅之訳、KADOKAWA)
ハーンが神の潜戸の中を船で行くシーンの一部ですが、泳ぎが大好きだったハーンらしい描写です。この後、仏の潜戸、加賀の港町のことを詩情豊かに描いています。

  • ハーンも見たであろう神の潜戸内部ハーンも見たであろう神の潜戸内部
  • 潜戸の外側にあたり高天原と呼ばれる潜戸の外側にあたり高天原と呼ばれる
  • 神話伝承の御子神が弓矢の練習にした的島神話伝承の御子神が弓矢の練習にした的島
  • 的島の南にある像岩を陸から見た姿的島の南にある像岩を陸から見た姿

遊覧船の発着するビジターセンター予定地

加賀の潜戸の遊覧船が発着するマリンプラザしまねは1階が加賀の潜戸遊覧船乗り場とお食事処なぎさがあります。現在、2階に国引きジオパーク構想のビジターセンターが仮設されています。ジオパーク全体の解説を始め島根半島が形成された約2000万年前の特徴的な岩石や化石なども展示しています。また、仏の潜戸の大穴を遠望でき加賀湾全体の眺望が楽しめる場所ともなっています。開館時間:9:00〜16:00、年中無休。駐車場60台。

リンク:潜戸観光遊覧船のホームページ

  • ビジターセンター予定地(マリンプラザしまね)ビジターセンター予定地(マリンプラザしまね)
  • 2階には化石などとともにジオパークの展示がある2階には化石などとともにジオパークの展示がある

桂島(かつらじま)

桂島は松江市民には海水浴場としてよく知られた場所です。その岩場には白メノウが点々とあり、小石の浜には白メノウの小片も数多く見られると言ったら驚く人も多いでしょう。桂島全体は海底で溶岩が噴出して固まったところです。比較的に粘性の高い溶岩が海水と接して急冷されてできた溶岩ドームや岩脈などを数多く見ることができます。白メノウは、そうした岩石の割れ目に入り込んだ熱水が沈殿してできたのです。

  • 白砂の美しい海水浴場 シャワーなどもある白砂の美しい海水浴場 シャワーなどもある
  • 珍しい放射状(菊花状)の節理珍しい放射状(菊花状)の節理
  • 写真中央に溶岩ドームを上に突き抜けている溶岩の岩脈写真中央に溶岩ドームを上に突き抜けている溶岩の岩脈
  • こうした白メノウがあちこちに見られるこうした白メノウがあちこちに見られる

加賀神社

神の潜戸に木の鳥居がありますが、それが元の宮と伝わる加賀神社。拝殿の中には大きな絵馬が掛かっています。大きな絵馬を作るのは大金がかかるため、奉納した船乗りが大きな稼ぎをしていたことと航海の安全を強く祈ったことが感じられます。明治7年に奉納された船絵馬は、当時の荷物を運ぶ船、廻船(かいせん)の様子が良くわかります。

  • 加賀港から約300m内陸にある静かな境内加賀港から約300m内陸にある静かな境内
  • 神社と加賀港が賑わった時代を感じられる神社と加賀港が賑わった時代を感じられる

日本海の新鮮な魚介類が楽しめる食事処

ビジターセンター予定地のマリンプラザしまねの1Fにあるお食事処「なぎさ」は、加賀港の眺めも良い場所で、さざえご飯定食700円(コーヒー付き)が人気のお店です。加賀港で水揚げされた魚料理もあり、季節によっては、乾燥ワカメやモズクなどの海の幸、地元のイチジクなども販売されています。
電話:0852-85-3568、営業時間は11:00~15:00日曜営業。定休日は火曜日と12月~3月。

  • 海から見たマリンプラザしまね海から見たマリンプラザしまね
  • 美味しいジオの幸「さざえご飯定食」美味しいジオの幸「さざえご飯定食」
  • 加賀港に水揚げされたさざえ加賀港に水揚げされたさざえ

迫力のサバの煮つけにびっくり

kuukedo(くうけど)は、加賀港からマリンプラザしまねへ向かう途中の南側にあるカフェです。窓際からは仏の潜戸や加賀湾が一望できます。ここの人気はお魚定食800円(コーヒー付き)。サバが丸ごと1本ドーンと煮つけであったり、ハマチの刺身が盛りだくさんだったり。地元の漁師さんも利用するお店なので、味は濃いですけどね。もちろんカレーや焼きそばもあります。

リンク:KuukedoのFacebookはこちら

  • サバ煮付けサバ煮付け
  • 窓風景窓風景
  • 看板kuukedo(くうけど)看板
  • 外観kuukedo(くうけど)外観

お土産

マリンプラザしまね 内販売
加賀の西隣になる大芦(おあし)ではイチジク栽培が盛んで、おからにイチジクを練り込んだ かりんとう(350円)、イチジクジャムなどがお土産に良く購入されているといいます。そのイチジクジャムをたっぷり使ったアイスはつぶつぶまで楽しめます。また、加賀から西へ6kmほど離れた御津港で作られるサバの塩辛(200g瓶600円)は「しょっぱいだけじゃない、美味しい。」と人気の一品です。

  • おからかりんとうぽりぽりとイチジク風味が広がります
  • いちじくジャムとサバの塩辛イチジクジャムとサバ塩辛
  • いちじくアイスいちじくアイス

おすすめジオスポット

加賀の潜戸や桂島で火山という大地の変動に触れたら、
帰りに立ち寄りをおすすめしたいのはこちらです。

多古の七つ穴

島根町の多古鼻地域に約400mに渡って高さ50ほどの海食崖があります。その海食崖が波に侵食された洞窟が9つあります。なのにここを七つ穴と呼ぶのは、陸から見たときに最大7つ見えるからと言われています。海底火山から噴出した溶岩が海水により急冷されて粉々になった岩石(ハイアロクラスタイト:水冷自破砕溶岩)からできており、その節理や小断層の脆いところに洞窟ができています。そのため崩壊の危険がある場所が多いので注意が必要です。

  • 海からみると七つ以上見える多古の七つ穴海からみると七つ以上見える多古の七つ穴
  • 七つ穴は中でつながっているところもある七つ穴は中でつながっているところもある

多古の隣にある瀬崎の奇岩、奇観の名所
奇岩「崩落火道」

この火道とは溶岩の通り道を指していて、中央の黒い部分です。まわりの安山岩に流れ込んだ溶岩が固まってから、波の侵食や風化によって崩落しているものです。瀬崎港から北の海岸沿いに行けますが、満ち潮や波が荒いと行けませんので注意ください。

  • とても大きい崩落火道とても大きい崩落火道

奇観「ひょうたん池」

「崩落火道」から100mほど北に進んだところに、ひょうたんの形に海水を張る池があります。安山岩が波で侵食されて平たくなった波食棚にあり、幅は3m、深さ2.2mほどです。一体どうやってできたものでしょうか。甌穴(おうけつ)とかポットホールと呼ばれる穴です。

  • 瀬崎港北側の波食棚にあるひょうたん池瀬崎港北側の波食棚にあるひょうたん池
  • 2つの甌穴がつながったような形2つの甌穴がつながったような形

瀬崎の戍(まもり)

出雲国風土記に瀬崎の戍と記される防衛のための見張り台があります。瀬崎の南東約4kmにある千酌(ちくみ)が隠岐へ渡る場所であったので、その出入りする船を見張っていたと考えられます。近年、地区の人たちによって展望台として整備され、天気の良い日には隠岐の島を見ることができます。

  • 瀬崎の戍の正面海上が隠岐のある方向瀬崎の戍の正面海上が隠岐のある方向

自然が作ったギザギザの洗濯岩

加賀港から南西へ約2kmのところで、崖の下に海をのぞき込むと広い洗濯岩を見ることができます。この須々海(すすみ)海岸は深海で起こった濁り水の流れや土石流によって堆積した地層が、後に隆起して波に洗われてできたものです。砂岩と泥岩が交互に地層となっているため、波に侵食されやすい砂岩が削られて凹になり、硬い泥岩が凸となって連続し洗濯板状になったのです。ここは冬になると大芦地区の海苔岩になるため冬は立ち入り禁止となります。

  • 上から見た須々海海岸の洗濯岩上から見た須々海海岸の洗濯岩
  • 凸凹の奇観が広がっている凸凹の奇観が広がっている

地図